あなたが解剖生理学を学ぶことに戸惑った出来事は何ですか?

私自身、看護学校で学ぶ解剖生理学は、本当にキライでした。例えば肺は、右が上葉(じょうよう)、中葉(ちゅうよう)、下葉(かよう)の3つに、左は上葉、下葉の2つに分かれています。これすら、「どっちが2つ?」状態。頭で理解しようとしても、イメージがまったくできていなかったのです。今回のDVDに入っている心臓、循環器の分野でも講師が話す「シャント」の意味が理解できなかったり、肺循環と大循環の違いが何度聞いても分からず、心電図に関しては大学病院1年目で勉強会に出てもまったく理解できませんでした。

それを叩きつけられたのは、看護師3年目、3次救急を担っている大学病院で救急外来の夜勤をしていた時、急性心筋梗塞の患者さんが運ばれてきたのです。医師とICUナースは、心電図を見てどこの冠動脈が詰まっているのかまで予測し、すぐに心臓カテーテルの治療へと放射線科へ向かいました。その日、続けて心肺停止の患者さんが運ばれてきます。救急外来では、手慣れたナースが手際よく医師からのアドバイスを受ける前に、心電図を確認しながら薬剤を準備していきます。3年目でも知識がない私は、そこで言われたことをやるだけの指示待ち人間でした。

そんな中、大学病院を退職し地元の総合病院で呼吸器内科に勤務していた時のこと。死亡率が高いと言われる間質性肺炎にかかっている患者さんが、急性心筋梗塞を起こしました。カテーテルでは限界があり手術が必要だけど、その病院は循環器内科のみで心臓外科の手術はできません。目の前で患者さんが亡くなる姿を見送りながら、

「心臓が動かなければ人は生きられない」
「心臓が学びたい」

そう思い、5年目で心臓外科の病院に再就職しました。貴方は、今どんな解剖生理学の悩みがありますか?私自身、これ以外にも救急に勤務していた時、交通外傷がとにかく多いので複数の骨折の患者さんがいましたが、骨格の仕組みが理解できていなかったので、

「どこが折れていても私には関係ない」

ぐらいの勢いで開き直っていたのかもしれません。骨格図を見ても、どうしても頭に入らなかったのです。それが前十字靭帯の手術では名医がいる病院に勤務した際、膝を中心に「骨格」「筋肉」「腱」などを看て行けるようになると、骨格と筋肉の連動がカンタンに分かるようになったのです。その感動は、今でも忘れられません。何度学んでも、分からない理由すら分かっていなかったのです。

解剖生理学を学ぶ時、頭で理解しようとする「暗記」では、テストで点数が取れるかもしれませんが、実際にサロンでお客さま、臨床の場で患者さまに活かせる「知識」として提供することはできません。私自身、万年の肩こりを中学生から持っていて、社会人になってからは毎月のように、整体や鍼にも通ったことがありましたが、自分でメンテナンスできる明確なアドバイスを受けたことはありませんでした。今思うと、相手にその症状に対しての知識が不足していたからかもしれません。私が看護師であることを伝えると、極力会話しないように接客するセラピストの方すらいました。

私が心から望んでいたことは「自分の身体を良くしたい」それだけでした。そこには、しっかりと身体の仕組みを学ぶための解剖生理学に対しての知識が必要です。それは自分自身の身体を見つめるためにも、お仕事として患者さんに提供するためにも、頭で理解する解剖生理学ではなく、「相手にアウトプットすることができる知識」として解剖生理学を学ぶ必要があるのです。

改めて、貴方が解剖学を学ぶ理由は何ですか?このDVDに入っているノウハウの中から、貴方の迷いをクリアにしていって下さいね。